『ぼくたちに、もうモノは必要ない。-断捨離からミニマリストへ』という本を読んだ。
この本、実に素晴らしい。
物を捨てることにより、人生の価値観を変えることができたというもの。
はじめにこんな文章が書かれていた。
持ちモノを自分に必要な最小限にする、ミニマリスト(最小限主義者)という生き方。
その生き方を通して見えてきたのは、単に部屋がスッキリして気持ちがいいとか、掃除がしやすいとか表面的なメリットだけじゃなく、もっと本質について。つまりどう生きるか、誰もが求めてやまない「幸せ」を、自分の頭で考えなおしていくことだった。
しかしながら、筆者自身も、もともとは物を溜め込み、それが自分の価値や幸せにつながると感じていたのだと。
が、振り返ってみれば、人とくらべてばかりいて、自分がすべきことがわからず混乱ばかりしていたのだとか。
でも、モノをたくさん捨てた結果、毎日幸せを噛みしめながら生きられるようになったのだといいます。
著者曰く、捨てられない「性格」は存在しないとの事。
つまり、ただ自分で「捨てられない」と思い込んでいるだけ。
ここで著者が引き合いに出しているのが、「学習性無力感」という心理学用語。
実際には自分で改善できる状況で、その能力もあるのに、「捨てられない」という失敗を何度も味わうと、
状況を改善しようという気持ちすらなくなっていってしまうということ。
どうして捨てられないかを明確に意識できれば、そのうち捨てられるようになるもの。
そして「捨てられないタイプ」も「捨てられない性格」も存在せず、自分が悪いわけでもなく、単に「捨てる技術」が未熟なだけ。
だからこそ、「捨てられない」という思い込みを排除すべきだという考え方。
そして、「捨てて」後悔するモノはひとつもない。
著者は物であふれた汚部屋に住んでいたころからすると、持ち物を95%くらい捨てたそうです。
しかし、捨てて後悔したモノはひとつもないそうです。あったとしても全然思い出せないのだとか。
心の底から「捨てなきゃよかった!」と後悔するモノは少なく、つまり所有物の価値とは、その程度の小さなモノだということ。
とても興味深い内容の本でした。