家具やインテリアは、住まいをあなたの快適空間にするためには欠かせないものですよね。
タンスにしろ、本棚にしろ、色々な素材、デザインのものが買えるため、モダンでシックなお部屋にしたい、だとかアジアンテイストの爽やかなお部屋にしたい、といった要望に応えてくれます。 ですが、家具はお部屋同様、使っている内にだんだんと汚れていくものです。
お気に入りの家具をいつまでも長く使っていくためには、やはり定期的な掃除は欠かせません。 今回は、手間なくキレイな状態を維持するために、手入れやメンテナンスがしやすいもの、そうでないものをご紹介します。
掃除する時間がない、面倒だと思う方は、これを参考にインテリアを揃えていけば掃除の楽なお部屋を作れますし、ゴミ屋敷化を未然に防ぐことにも繋がるかもしれません。
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家具が汚れる原因
まず、そもそもなぜ家具が汚れたり劣化していくのか、その理由について学んでいきましょう。
ホコリは常に舞っている
みなさんもご経験が有ると思いますが、タンスでも、本棚でも、家具の天板部分など高いところにはホコリが溜まっていることが多いですよね。
当然、掃除が行き届かないと、そのようにホコリが堆積していくわけですが、ホコリって、そんなに室内に舞っているのでしょうか。 答えは、YESです。
ホコリ(=ハウスダスト)には、衣服の繊維くずの他にも、花粉や土、砂など外部から持ち込まれるもの、 食べ物のクズや髪の毛、フケ、綿ボコリ、更にカビの胞子、病原菌やダニの死骸・フンなど様々な物質が含まれています。 この中身によっては、大きさが異なり、軽いものは常に空気中に舞っています。
夜など、住む人が寝静まり空気の流れが減ることによって、ゆっくりと下降していき、家具や床などに落ちていきます。 人が生活する限りハウスダストが発生するので、定期的に掃除をしなければ、家具はホコリで汚れていくのです。
実は、菌も室内にたくさんいる
先ほど、ホコリの説明の中で、ホコリ(=ハウスダスト)にはダニの死がいなどの物質も含まれている、と書きました。ダニにとって、ホコリも重要な栄養になるので、ホコリの有るところにはダニもいる、と考えてよいでしょう。
また、ダニだけではありません。 花王株式会社が実施した調査によれば、ホコリ1gに対して、一般細菌の数は約7~10万個、カビは約1万程度含まれている様です。
【参考】花王株式会社 ホコリ意識・実態調査で、室内のホコリ中に、菌やカビの存在を確認
日常使いによる汚れ・跡の付着
家具に使われている素材や塗装によっては、日常的な仕様で注意が必要なものがあります。 詳しくは後述しますが、例えば桐の家具などは汚れがつきやすく、素手で触ると手垢など皮脂によって汚れが付いてしまうことがあります。
他にも、素材の持ち味を維持しながらお手入れするために、専用の道具が必要な物もあります。 家具は使って始めて意味があるものですから、日常的に汚れてしまうのは仕方がないことですが、それでもなるべく手入れが少ない・簡単な家具を探してみましょう。
メンテが必要な家具・インテリア
さて、まずは定期的な手入れが必要な家具をいくつかご紹介します。
オイル仕上げの無垢材家具
無垢材とは、複数の木材を張り合わせた合板(ごうばん)と違い、1つの木材を切り出した素材です。よく、テーブルとして利用されています。無垢材は、表面を「オイル仕上げ」「ウレタン塗装仕上げ」「ラッカー仕上げ」の3種類の仕上げ方法によって加工されます。 仕上げ方によって、表面の光沢や風合いが微妙に違っていて、天然素材そのものの風合いをキレイに出したい場合は、オイル仕上げがおすすめです。
ただ、オイル仕上げのものは水や焦げに弱い特徴があります。例えば、冷たいガラスのコップをテーブルに置いたままにすると、コップの底が接地した部分に「輪染み」ができることがあります。オイル表面が冷やされ、白く変色した状態です。 また、タバコの火を落としたり、鍋など熱いものをそのまま置いたりすると、焦げが発生することがあります。 こうした汚れは、表面をヤスリがけし、再度オイルを塗ってあげることで修復ができますが、そうした汚れを気にせずいたい、という方には多少手間があるかもしれません。
籐(ラタン)の家具
籐(ラタン)とは、ヤシ科の植物である「籐(とう)」を指します。ツル科の植物であり、それを細かく割いたものを縦横に編みこむことで家具の形に整形していきます。 天然素材で作られるため、独特の温かみのある風合いを持っており、家具として根強い人気があります。 ただ、天然素材であるために、水気に弱く、カビが繁殖しやすいといった特徴があります。
細かく編みこまれた構造によって溝があるため、そうした部分を中心にホコリが堆積、カビが根を張ってしまうのです。 定期的にお手入れが必要な材質ですが、水拭きした後は乾拭きで水分を飛ばし、乾燥も天日干しではなく陰干しが適切です。素材自体が呼吸をして調湿をしてくれますが、お部屋カビの繁殖しやすい湿度にならない様、長くキレイに保つにはある程度配慮が必要となります。
桐の家具
桐の家具は、タンスを代表として古くから普及しています。今でも、着物を保管するときには桐の箪笥を使うという方が多いのです。
これは、桐が日本の気候に合っていて、着物の劣化の原因となる湿度から守ってくれるためです。 一般的な桐の家具は表面に塗装加工を施していないため、基本的に汚れや傷への耐性はあまりありません。
特に、手垢や皮脂が付着すると、それだけで汚れが沈着してしまうので、扉の開け閉めは金具部分だけを持って行う、運搬する際は全てを覆って、直接手を触れないように行うなど、デリケートに扱わなければなりません。
鉄製家具
お部屋のインテリアにこだわる中で、レトロ調の風味・風合いがスキな人に特に人気があるのが、鉄製の家具です。
アンティークとして、全て鉄製のテーブルが販売されていたり、また木材と鉄の組み合わせで、例えば座面、背板は木で、それを支える枠は鉄製の家具もあります。 鉄製家具の素材は、鉄ですので頑丈で耐荷重性も高く、長く使える家具の一つです。
ただ、当然鉄であるということはサビが発生します。 鉄のサビは空気に触れるだけでもゆっくりと進行します。こうした鉄製家具の中には錆止め塗装が施されたものもありますが、塗装が剥がれると再び錆びてきますので、定期的に状態をチェックして、錆止め塗装をするなど、お手入れをしてあげる必要があります。
本革製品
革製品は肌触りがよく、特に高級なソファによく用いられています。大切に使えば長持ちしますし、使い込むごとに色合いも深くなり、本革ならではの重厚な風合いになっていくために、人気がある素材です。
表面がつるっとしているため、少しの水ならこぼしてもすぐに拭きあげることで染みこまないといったメリットがありますが、本革のメンテナンスには、革素材専用のクリーナー・保護剤を使用する必要があります。
こういった定期的なお手入れの手間を省くと、色あせやヒビ割れの原因になり、どんどん劣化してしまいます。 また、動物性たんぱく質を含んでいるため、一般的な繊維に比べてカビが繁殖しやすいので、湿度はよりシビアに管理してあげることが重要です。
手入れが簡単な家具・インテリア
一方、手入れが比較的簡単に行える家具・素材もありますので、ご紹介します。 ただ、注意したいのはまったく手入れがいらないわけではないということ。一切手を掛けなければ、カビが生えることもあります。
長くキレイな状態を保つためには、やっぱり定期的にホコリを取ったりしてあげる必要はあります。それでも、ささっと拭きとるだけで十分な場合も多いので、手間はほとんどかからないかもしれません。
合成皮革
合成皮革とは、見た目は本革の様に見えますが、合成樹脂(ポリウレタン:PUや塩化ビニル樹脂:PVC等)を付着させて作られた人工の素材を指します。本革と同じく、ソファに多く用いられています。
合成皮革は見た目は本革に似ていますが、素材が全く違うためお手入れは楽で、例えば汚れが付着したら水拭きできますし、必要に応じて洗浄力の弱い中性洗剤を使って掃除をすることもできます。
プラスチック家具
プラスチックの家具は、基本的に汚れが付着しにくく、汚れが付いたとしても水拭き、また少し強めの汚れであれば中性洗剤を薄めて使用することで、比較的簡単に汚れを落とすことができます。 このプラスチックのメンテナンス性の良さを活かして、籐(ラタン)と同じように編みこんで作られる、人工ラタン家具もあります。人工ラタンの椅子は、レストランの庭など屋外で使用される事が多いです。
まとめ
今回、定期的なお手入れの必要な家具と楽なものをご紹介しました。 ただ、どんなに手入れの手間が少ないからといっても、全く掃除をしなくて良い、というわけではありません。
ほこりが溜まってきたな…と思ったり水分をこぼしてしまった時など、気づいた時で構いませんから、さっと拭き取ってあげる事で、衛生面も守られますし、意識的にもゴミ屋敷になってしまう事を防ぐことができると思います。